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EXHIBITION   Back to schedule

高島進展
「結晶世界」

2011年8月24日(水)~9月7日(水)
24日(水)作家在廊 月曜休廊

11:00am-7:00pm(最終日5pmまで)


―結晶世界―

ある時私は、クラシックの器楽曲の題名の多くが、「ピアノのための」あるいは「フルートのための」など「楽器のための音楽」(music for instruments)になっている事に気付きました。

 「楽器による音楽」(music with instruments あるいは、music by instruments)ではなく、なぜ「楽器のための音楽」なのか、目的と手段が転倒しているのではないか、とそう思ったのですが、理由は未だによく解りません。(個人的には、産業革命の時代を中心に楽器の急速な開発と改良があり、その過程で楽器製作者、作曲者、演奏家の関係が密接で、時には作曲の依頼主が楽器製作者であった事もあるのではないかと考えています。)

し かし、それを例えば絵画に置き換えてみると、油絵の具で描かれた「油絵」ではなく「油絵の具のための絵画」となります。私としては、奇妙な気分になると同 時に、その時からそのような「素材のための絵画」があるとすればどのような絵画になるのか想像力も掻き立てられてきました。

 私 は、素材がそれ自身、無色透明で無性格なものとは考えていません。私の選んだ素材は全て工業製品で人の手を経てますので、必ず一つの意志は帯びていると考 えられます。しかし、使い方によっては思わず眠りから覚まされるような意思も多く潜んでいると思うのです。(覚醒にはしばしば危険を伴う事もあるかもしれ ませんが)

私は、絵画の平面をそのような素材の意思の表現の場と考える事で、「素材のための絵画」に肉迫出来るのではないかと考えているのです。

 私の作品は、素材別に、筆とインク、色鉛筆、銀筆と三種類の作品に分類されます。更に、筆とインクの作品は、描き方の違いにより、(一筆描き)もあるので、今のところ合計4タイプの作品がある事になります。銀筆作品は、キャンバスに描くか紙に描くかで表情が大きく変わるので、5タイプと言えるかもしれません。

 「筆、インクと紙のためのドローイング」は、インクを含ませた描き始めが太く、徐々に細くなってかすれる筆の線の集積、「鉛筆削り、色鉛筆とキャンバスのためのドローイング」は鉛筆削りで芯を尖らせた描き始めが細く、徐々に太くなる線の集積でそれぞれ成り立っています。

 色に関しては、どちらも34色使っています。一本一本線を引く前にサイコロを振って、予め決めておいた出目と色の対応に従って、色を選んで行きます。色の順番は出目の偶然に従って決められるのですが、隣りあう色同士で生じる偶然の色の揺らぎは、出目の偶然の波を表現しているとも言えます。

 「筆、インクと紙のためのドローイング(一筆描き)」は、乾くのが遅いインク(青)を使い、描き始めてからかすれて描けなくなるまで48時間の間に一気に描き上げる作品です。

 同じく「銀筆、カラージェッソとキャンバスのためのドローイング」も最初に硬い銀の芯をサンドペーパーで削って尖らせてから描き始め、そのまま48時間、一気に描き上げるモノクロームの作品です。どちらも作品の下に描き始めから描き終わりまでの時刻が記されています。

 

い ずれにしても私は、描き始めから描き終わりまでの間に線の太さが変わる素材を選び、その線を素材の意思の核と考え、反復する事で強調し、結晶体を紡ぎ上げ る事で素材の意思をカタチにしようとしています。結晶体の形は、核の違い、初期設定の違いで変わってきます。紡ぎ上がった結晶世界は、素材の意思(核)と 作者の意志(初期設定)の合作のカタチをしているのです。(高島進)

 

略歴

1959 兵庫県生まれ
1982 武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業
1984 武蔵野美術学園油絵科修了
1987 アジェンデ美術学校(メキシコ)に1年留学

《個展》
1999  青樺画廊(東京・銀座)
99、01、03、06、10、 ギャラリー舫(東京・銀座)
2000  モリスギャラリー(東京・銀座)
2000     空想・ガレリア(東京・銀座)
2001  なびす画廊(東京・銀座)
  2004、07、 ギャラリーゴトウ(東京・銀座)
2005、08、 ギャラリーテムズ(東京・小金井)
2009、10、  Shonandai MY Gallery(東京・六本木)

  《グループ展》

1986 第1回デッサン大賞展(神戸・東京・名古屋・京都)
1987  第2回デッサン大賞展 

      (大阪府立現代美術センター・東京銀座川上画廊)
1990 第16回日仏現代美術展(パリ・東京・他)
      第1回TAMON賞展(柏高島屋)
1991、96、 第20回、25回現代日本美術展(東京都美術館・京都市美術館)
1993 第15回エンバ美術コンクール(エンバ中国近代美術館)
1994 第17回エンバ美術コンクール(エンバ中国近代美術館・氷上町植野記念美術館)
1995 第1回西脇市サムホール大賞展(西脇市岡之山美術館)
1997 第2回昭和シェル石油現代美術賞展(東京国際フォーラム)
   第37回パリ招待サロン「現代の巨匠と青年展」(パリ)
1997 ABC美術コンクール(大阪ABCギャラリー・福岡美術館・札幌市民ギャラリー・有楽町朝日ギャラリー)
1998 第1回川の絵画大賞展(加古川総合文化センター)
      第3回アート公募99企画作家選出作品展(新木場SOKOギャラリー)
2000 第14回多摩秀作美術展(青梅市立美術館)
      木下晋・高島進・浜田賢治三人展 

                        (ギャラリー・しらみず美術/東京・銀座)
2002 第16回多摩秀作美術展(青梅市立美術館)
    第11回青木繁記念大賞公募展(石橋美術館・アクシスギャラリー/       東京・六本木・郡山市立美術館)
      渡邉早苗・高島進展(ギャラリーゴトウ/東京・銀座)
2003 第12回青木繁記念大賞公募展
     ギャラリーテムズコレクション展Ⅱ

                            (ギャラリーテムズ/東京・小金井)
2005、08、 第14回、17回青木繁記念大賞公募展
2006 scope artfair・ニューヨーク
     アート上海2006
     高島進・団野雅子・中込靖成-三人展-

                            (ギャラリーゴトウ/東京・銀座)
2007 Last Scene(ギャラリーゴトウ/東京・銀座)
      Hors Ligne(ギャラリー惺/東京・吉祥寺)
      First Scene(ギャラリーゴトウ/東京・銀座)
2008 MINIMAL PAINTING 21(ギャラリー惺/東京・吉祥寺)
      人間像展(白銅鞮画廊/東京・京橋)
2009、10 kunStart(イタリア・ボルザーノ)
     顔顔顔展(Shonandai MY Gallery(東京・六本木)
2010 新春小品展(ギャラリー由芽/東京・三鷹)
   日米アートカイト展

         (静岡文化芸術大学、CHANDLER FINE ART/サンフランシスコ)
     六・面・展・(Gallery FACE to FACE/東京・吉祥寺)
     FLOWERS(ギャラリー惺/東京・吉祥寺)

《受賞》

1990 第16回日仏現代美術展/日本テレビ奨励賞
1997 第2回昭和シェル石油現代美術賞展/奨励賞
’97ABC美術コンクール/優秀賞
1998 第3回アート公募99企画作家選出作品展/ギャラリー賞
2000 第14回多摩秀作美術展/大賞
2002 第11回青木繁記念大賞公募展/優秀賞
2007 第5回現代日本美術会賞審査員特別賞

《収蔵》 青梅市立美術館、羽田空港